大山町の12月議会は、明日7日に開会します。一般会計・特別会計の補正予算の外に条例改正など24議案について審議します。
一般質問は、15日(木)・16日(金)の2日間です。私は11番目で、16日の3時頃からになります。今回は1問に絞って、同和問題について質そうと思います。
同和問題は古くて新しい問題です。特に、いま国会では、前国会で出し抜けに上程された「部落差別解消推進法案」なるものが現在参議院で審議中であり、14日まで会期延長した今国会で成立が強行されそうな情勢です。”部落差別解消”と称していますが、「部落差別」は、33年間の同和対策事業による国民的努力と人権意識の高まりによって、今や社会問題として解決してきているといえます。それにもかかわらず、国民的な論議もない(マスコミによる報道もない)まま、恒久法として成立されようとしているのです。この法律ができたら、融合しなければならない「同和地区」が固定化され、部落問題の解決に逆行することになります。国会では、日本共産党だけしか反対しておらず、拙速に成立してしまったら将来に禍根を残すことになります。
地方にも直接かかわってくる問題だけに、大山町議会でも取り上げて議論したいと思います。国会で成立した後であっても・・・
私の一般質問の通告書は以下の通りです。
平成28年12月5日
大山町議会議長 野 口 俊 明 様
議席番号 7 番 大山町議会議員 大 森 正 治 印
一 般 質 問 通 告 書
次のとおり通告します。 (質問予定時間 60 分)
質 問 事 項 と 要 旨 | 質問の相手 |
1.同和問題の今後を探る
同和問題は、我が国に残存する人権問題であり国民的課題として解決すべきという国策の下に、1969年より30余年にわたり国地方あわせて16兆円が投入されて、様々な同和対策事業が講じられてきた。国を挙げての国民的な努力の結果、劣悪だった生活環境は大きく改善され、就職や結婚などの問題も解決へと向かっていった。そのため、時限立法であった国の法律は2002年3月に終了した。これは、同和問題は社会問題として基本的に解決したことを意味する。 ところが、鳥取県や大山町など地方自治体では、部落差別がある限り同和対策を続けるとして、事業の数は減ってきたものの、今なお、本町では固定資産税の減免、高校生・大学生への進学奨励金の給付、新規学卒者への就職支度金、生活相談員の配置、地区進出学習会など、旧同和地区に特化した施策が行われている。このような同和施策を継続する限り、いつまでも同和地区を固定化することになり、差別の解消にはつながらない。 部落問題が社会問題として基本的に解決している今、特別な同和施策は完了して一般施策に移行した方が、同和地区も地区外もない融合した状態になり、真の解決を実現することができると考える。 同和施策を続ける根拠として、「部落差別がある」ことがあげられている。具体的な差別事象として、本町で起きた事例では、差別落書き事件や4年近く前に発生した差別ハガキ事件があり、また、結婚差別はまだ残っているという指摘もある。しかし、前二つの事例は誰の仕業か不明という問題を内包している。結婚問題に関しては今や個別の事例として対応し解決していくことが肝要ではないだろうか。 このように考えると、現在もあると言われる差別事象は「根深く温存されている部落差別」とは言えないのではないかと考えられる。だから、完全にとは言えないまでも、社会問題としての部落問題は基本的には解決していると言える。 では一体、部落問題の解決とはどんな状態をいうのか。それを部落解放同盟とは異なる運動団体(「全国人権連」の前身「全解連」)は、次のように規定している。 ①部落が生活環境や労働、教育などで周辺地域との格差が是正されること ②部落問題にたいする非科学的認識や偏見にもとづく言動がその地域社会で受け入れられない状況がつくりだされること ③部落差別にかかわって、部落住民の生活態度・習慣にみられる歴史的後進性が克服されること ④地域社会で自由な社会的交流が進展し、連帯・融合が実現すること <全解連の綱領的文書(1987年3月)より> これらに照らし合わせるならば、今や正に部落問題は基本的に解決されていると言ってもよい。町長はどのように考えられるか。 このような中、前国会の5月に「部落差別解消推進法案」なるものが突如として出された。そして、継続審議となり、今国会で十分な審議が行われないまま短期間で拙速に成立させられようとしている。これは、自民党も同和対策事業を終結し、同和から人権への流れをつくった経過をも無視する異常事態である。この法律の問題点は次の点にある。①一旦終結した同和対策事業を復活させるものである。②時限立法でなく恒久法である点から同和地区の固定化につながるものである。③そのため部落問題解決に逆行するものである。だから、この法案は廃案にすべきものである。 同和問題をめぐるこのような情勢の中で、真の解決に向けて同和行政は今後どうあればいいのか、改めて探求していかなければならない。 そこで、次の点について伺う。 (1)差出人に森田町長の名をかたった「差別ハガキ」事件は現在どのような状況になっているのか。また、この事件を教訓に同和行政を今後どうしようとしているのか。 (2)部落差別がある限り同和行政を続けるとのことだが、どんな状態になったとき終結されるのか。 (3)「部落差別解消推進法案」は、同和地区を固定化し部落問題解決に逆行するものであり、廃案にすべきと考えるがどうか。
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町長
教育委員長 |
(注)的確な答弁がえられるよう、質問の要旨は具体的に記載すること。
質問の相手は、町長、教育委員長、農業委員長、選挙管理委員長、監査委員等とする。