毎年恒例の大山町主催による、町内の戦没者869人を追悼する式があった。
そこで行われた遺族会会長の辞に、違いが際立つ二人の内容があった。ひとりは大山町遺族会会長野間氏、もう一人は鳥取県遺族会会長池林氏。
野間氏の言葉の主旨「どこの国にも戦争をする正当な理由はない。二度と戦争をしないことを誓うことが英霊に応えることである。」
池林氏「国立戦没者追悼施設の建設に断固反対する。靖国神社こそが英霊を祀る施設である。」
どちらが普遍的で格調高い内容か明らかである。この二つの辞にみられるように、遺族会の中にもいろいろ違った考えや思いを持った人がいる。決して、靖国神社を絶対視する人たちばかりではないようだ。日本遺族会会長だった自民党の古賀誠氏は、靖国派かもしれないが、安倍とはかなり違う思いの持ち主である。だからこそ、しんぶん赤旗に登場して、秘密保護法にも集団的自衛権の行使にも反対を主張するのだろう。
それにしても、安倍首相が靖国神社参拝にこだわるのは、アジア・太平洋戦争(15年戦争)を侵略戦争と絶対認めたくないからだ。戦争犯罪者とりわけA級戦犯を祀る靖国神社に参拝することによって、戦犯ではないことを認め、東京裁判を否定し、侵略戦争ではなくアジア解放のための聖戦であった主張しているのである。だから、安倍の思想は、盟主アメリカからも「失望」され、世界の中で孤立するのである。
戦没者追悼式が、靖国派のためにあるのではなく、「先の大戦」を教訓として、野間氏が言うようように日本は二度と戦争はしないことを誓う場であらねばならないと強く思う。
そんなことを考えた今日の戦没者追悼式であった。