部落問題は古くて新しい課題

SNSには、ほとんど部落問題(同和問題)が話題にされないようですので、少しだけ…

11日・12日と松江市で、第10回地域人権問題全国研究集会があり、参加しました。この主催者は「全国地域人権運動総連合」という団体で、部落問題に特化しいつまでも同和対策を行政に継続させる「部落解放同盟」とは、一味も二味も違う人権運動の団体です。略称は「全国人権連」といい、憲法を暮らしに活かし、地域社会で人権を確立することを目指しています。

初日にあった記念講演は二つ。一つは井上英夫金沢大名誉教授の「憲法を豊かにー人権としての社会保障ー」、もうひとつは、地元隠岐郡海士(あま)町の山内道夫町長の「離島からの挑戦ー最後尾から最先端へー」。海士町は、毎日2組は他の自治体からの視察があるほど、地域づくりに成果を上げている自治体です。その秘訣は、町長の人柄やリーダーシップもさることながら、町長・行政と町民との信頼関係が底流にあるとみました。山内海士町長は、「地域づくりの主役はあくまで住民である」「幸せを実感できる地域づくりとは…偏見と差別のない社会づくり」と言います。

2日目は分科会。「部落問題の解決と行政・教育」の分科会に参加。ここで印象的だった議論は、”差別ハガキ事件”や”差別落書き事件”では差別事象の存在を示すために、内部の者による自作自演があるということです。また、もう一つ印象的だったのは、「八鹿高校事件」の風化ということです。 ※「八鹿高校事件」とは、40年前に解放同盟が八鹿高校の先生たちに凄惨なリンチを加えた暴力事件です。ところが、当時のマスコミは、解放同盟タブーからこの事件を全くといっていいほど報道をしなかったのです。この事件は、今も部落問題の解決を遠ざけている象徴的な事件だと思います。 いま、この「八鹿高校事件」がDVDで視聴することができます。