ソチオリンピックもいよいよ最終盤。フィギュアスケート女子ショートプログラムで、期待された浅田真央選手はジャンプの失敗で16位と出遅れた。 これについての2つの対照的な記事は、スポーツに対する視点はどうあるべきか考えさせられた。
「大一番で、勇気を捨てなかった。浅田は、・・・SPを16位で終える。 トリプルアクセルは、今季一度も試合で成功させていない。それでも、最大の持ち技にこだわった。『自分が思い描く、最高レベルの演技がしたい』。その一心で。・・・トリプルアクセルに挑み、3回転以上のジャンプを6種類すべて跳ぶ女子選手は、世界で浅田だけ。米国のワグナーは『スケートの限界を押し上げる存在』と称賛する。 その功績は、競技の進歩という尺度に照らすと、いっそう浮き立つ。 ・・・ 集大成となる大舞台で、彼女は技術の最高水準に挑んだ。自分を信じて、全能力をひたむきにそそぎ込んだ。その姿勢こそが、女子フィギュアにとっての宝物といえる。」 赤旗記者(勝又秀人)
一方、東京オリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相の視方は・・・・・
森喜郎元首相の講演要旨 「頑張ってくれと見ていましたけど、真央ちゃん、見事にひっくり返りました。あの子、大事な時には必ず転ぶんですね。・・・日本は団体戦に出なければよかった。・・・負けると分かっていいる団体戦に、浅田さんを出して恥をかかせることはなかった。」
この程度の視方しかできない元首相。「(団体戦で)転んだ心の傷が残っているから(SPで)転んではいけないとの気持ちが強く出たのだろう」と同情を示したものの、もっと選手の心情やこれまでの努力を考えた巨視的な見方ができないものか。スポーツに対する視点が貧弱ではないか。オリンピックを国威の場と考え、メダルや勝負至上主義になっていないか。森氏は、首相時代に国粋的な考えを出していたが(ただ安倍首相ほどでなかったかも)、オリンピックをナショナリズム発揚の手段として利用しようと考えているなら、日本体育協会名誉会長としてふさわしくない。 7年後の東京オリンピックが思いやられる。
浅田真央選手は、今日のフリーで、トリプルアクセルを成功させ自己最高得点を出した。そして、6位に大浮上。やはり、真央は世界の第一人者である。