9月6日、教組共闘中国ブロック協議会(※1)と鳥取県ゆきとどいた教育をすすめる会(※2)との共同で、高校生の修学保障・就職補償を求める要請を行いました。これは教組共闘中国5県キャラバン行動としての取り組みです。
(※1)教組共闘=正式には「教職員組合共同闘争推進連絡会」。全教や日教組など組織の違いを超え、教育をよくするために共同して運動する連絡会。
(※2)鳥取県ゆきとどいた教育をすすめる会=ゆきとどいた教育をすすめるために、教育署名運動・県教委交渉・教育講演会などの活動を行っている。県内の教職員、父母などで構成する。
主な要請事項
≪高校生の修学保障に関して≫ ①奨学金は貸与ではなく給付制にすること ②高校授業料の無償化を後退させないよう国に働きかけること ③高校生にも就学援助制度を創るよう国に働きかけること
≪高校生の就職補償に関して≫ ①政府に、「高校生の緊急雇用対策」を打ち出すよう要望すること ②特別支援学校卒業者の雇用確保のため、障害者の法定雇用率以上の採用を行い、法定雇用率未達成の自治体や企業に指導を強めること ③新卒未就職者に対し、6月末までの実態状況を調査し、必要な支援策を講じること ④高校卒業後3年以内の離職実態を把握し、その対応策を講じること ⑤労働者保護法制、労働者の権利などについての啓発資料等を作成し、すべての学校に配布すること。
この日は、教育委員会の開催日のため、県教委側は課長以上は出席できず、課長補佐などしか出席できませんでした。そのため、懇談を踏まえて、後日、文書で回答をするということになりました。それでも、可能な範囲で回答してもらいました。
県内の青年の離職率は全国平均より高く、高校生の1年後の離職率は、H23年で25%(全国平均は21%)に達するといいます。
授業料の無償化(不徴収)については、国へ要望しているというが、「必要な生徒への無償を要望」しているという。この回答にはびっくり。所得制限なくどの生徒にも無償にすることが必要なのに、自公政権の政策通りの要望をするとは・・・!国も県も無償化の意味が分かっていないようです。同じ高校の中に授業料を払う子と払わない子が存在することの重大性がわかっていません。
また、奨学金制度についてもです。外国では給付制が当たり前ですが、日本では貸与制が当たり前(我々にもこの考えが浸透しているのでは)。貸与とは「教育ローン」と同じことです。
教育(条件整備)は本来、公的責任で行われるものであり、無償化は必然的な流れです。なのに、安倍政権はここでも歴史逆行を進めています。
公財政からの教育費支出の対GDP比は、OECD諸国の中で日本は最下位級です。OECDの平均より8.5兆円も少ないのです。日本は経済力に合わせていかに教育にお金を使わないかを示しています。
だから、35人・30人以下の少人数学級は遅々とした歩み、給付制奨学金なんてとんでもない、教育の無償化は進まない、そんな日本です。まさに、政治がそうだけに、教育も三流国です。