マスコミがアベ政権に次々取り込まれる危険な状況

先日、鳥取県町村議会議員の研修会があり、一人の講師はNHK解説委員の太田真嗣という40代の男であった。今、NHKテレビの「時論公論」などを担当。長く自民党の派閥取材を担当、与党サブキャップ、総務省キャップなどを歴任し、平成23年6月から解説委員。

演題は「安倍政権の行方と参議院選挙」であったが、安保法制についてかなりの時間を割いて「解説」した。安保法制に反対の意見も紹介し一見中立を装いながら、実は政府がしてきたような解説をより詳しくおこなった。明らかに政府サイドに立った解説であった。右寄りの籾井会長の下で、政権与党に傾斜した報道姿勢が顕著なNHKであるが、この解説委員からもそれを感じざるを得なかった。

民放のTBSにも政府側からの圧力がかかっているという。25日付のリテラニュースが伝えている。安保法制に批判的な報道を続けている『NEWS23』のキャスター岸井氏が降ろされることになったという。この背景には、次のような、官邸と自民党が『NEWS23』を標的にしているという問題があるそうだ。

「昨年末、安倍首相が『NEWS23』に生出演した際、街頭インタビューのVTRに『厳しい意見を意図的に選んでいる』と難癖をつけ、その後、自民党が在京テレビキー局に『報道圧力』文書を送りつけるという問題が起きたが、その後も自民党や官邸はさまざまな形で、同番組に圧力をかけ続けていた。」

権力に批判的であらねばならないマスコミが、安倍政権の圧力に屈して権力者の言いなりになってしまえば、日本の民主主義に明日はない。教科書にも政府見解を記述させるように検定基準を変えてしまった。いよいよ安倍晋三は独裁者として恐ろしい存在になってきた。