東日本大震災、福島第一原発事故から4年。最近のフクシマの実情は、メディアだけからはわかりづらい部分が多々ある。そういう中、福島県広野町の議員から「福島の今を聞く会」が米子市であった。
一般のマスコミ報道を視聴していると、収束の方向に進んでいるような錯覚を覚えるが、実情はそうではないようだ。たとえば、原発事故による避難者は14万人以上にのぼっているが、最近では避難指示が解除されて帰還が進んでいるのかと思うとそうではなく、町長が12年4月に帰還を呼びかけた広野町でも帰還者は3割ぐらいであるという。それも不安を持ちながら。
放射能の除染は、広野町では進んでいるが、富岡町では、去年1月からやっと除染が開始された。広野町の小学生は、いわき市から30kmの距離をスクールバスで通学している。給食の食材は、福島県外の物を使用。除染や収束のために働いている作業員は、全国から来ているので、治安面で不安がある。原発事故現場まで通勤するので、国道6号線の渋滞は慢性化している。「賠償金をもらっているから裕福だろう」という誤解、賠償金をもらった人とそうでない人の分断が起きている。いわき市内では、「避難者帰れ」の落書事件、仮設住宅駐車場で車のフロントガラスが割られる事件などが発生。この背景には、東電と政府による分断・対立の持ち込みがあるとみられる。
被爆の実態について真実が伝えられてなく、4,5年たったこれから健康被害が心配される。東電の隠ぺい体質は、原発事故前からあり、今もある。・・・
変わらない東電の隠ぺい体質やそれを支える安倍政権による新たな安全神話づくり。ここにこそ、フクシマの諸問題の解決が進まない原因があるようだ。「企業が世界一活動しやすい日本にする」と言う安倍首相と大企業東電との関係が、改めて浮き彫りになった。